ツーリング

北外輪山を行く人気ルート

世界最大級のカルスト台地を走りぬける
ミルクロードの走り方

日本を代表する美道の一つとして人気なのが、熊本県の阿蘇・外輪山の北側を周遊するミルクロードである。緩やかなアップダウンを繰り返しながら走る丘陵地帯に続く道は、いつ訪れても美しい色彩に包まれている。

熊本市内から国道57号を東へ進み大津の市街地を抜けると「ミルクロード入口」という標識が現れる。この交差点を北へ向かえば、世界でも有数のスケールを誇る阿蘇カルストの雄大な景観が楽しめるミルクロードへと向かうことができる。

交通量が多めなのは、2016年4月の熊本地震によりそこから東へ進んだ地点で国道57号が甚大な被害を受けたからだ。現在はほかのルートが復旧し県道339号を行き交うクルマはやや減少。交差点が改良されたこともあり多少はスムーズに流れるようになったが、それでも途中の県道23号との交差点までは国道57号の迂回路となっているため、工事関係車や大型車の通行量は多い。またこの県道から分岐する新しい国道57号を開通させる計画もあるので、まだまだ混雑は続くだろう。

県道23号との交差点を過ぎれば交通量は激減する。地震の影響からか路面の痛みもアチコチで見受けられるが、通過するのに影響を感じることはない。外輪山の淵に沿って急勾配の九十九折れで標高を上げていく道からは、噴火を続ける中岳をはじめとする阿蘇の山々やカルデラ、そしてスケールの大きな外輪山から果てないように続く一面の牧草地は、まさに日本離れした風景である。
“山”を上りきればパノラマはその凄まじさをさらに強烈なものになる。一面に広がる牧草地は年に一度の野焼きにより、ほとんど大きな、そして背の高い木々を見つけることはできない。そのおかけで見渡す限りの原野は春の野焼きの後には“別の星”をイメージさせるような真っ黒に。そして、5月の連休の頃には土筆などが芽吹くのと同時に、一面が鮮やかな緑色のジュータンを敷き詰めたようになる。そして晩秋から冬の終わりまでは薄茶色が支配する世界。見渡す限りの広大な台地が季節ごとに色変わり、様変わりする大スペクタクルを見せてくれるのだ。そんな色とりどりに染まる丘陵地帯の中を緩やかな曲線を描くミルクロードの優しい風景が果てないかのように続いている。

阿蘇の道といえば、“天空の道”が一時有名になった。カルデラに広がる雲海の上に続く道はドラマチックな予感にあふれ、見るものを魅了するが、ミルクロードの四季を通して変化する色彩に富んだスケール感の大きな風景こそが、そこを通るたびに感じるインパクトの強烈さから、やはり阿蘇に一番似合う道なのかもしれないと思えてしまう。

大観峰をはじめミルクロードには数多くのレストポイントがあるが、そのほとんどは道路の南側に位置している。北側は大部分が牧場や牧草地だし、何より南側のほうが眺めがいいからだ。そこで東に向かうクルマは道を横切って駐車場などへ進入し、景色が良ければUターンする車両が現れるのも必然である。信号もなく場所によっては見通しの良くない区間もあるミルクロードでアクシデントやインシデントが発生するのはそんなポイント。いくら景色がいいからといって注意を怠ると危険が待ち受けていることを覚えておこう。

ミルクロードとともに九州を代表する道のひとつであるやまなみハイウェイに出たら右折。ほどなく左折すれば国道57号方面に向かうミルクロードの東端区間となる。それまでの観光道路としての華やかさはないが、長閑さは満点。ミルクロードからは外れるがうぶやま牧場でノンビリ休憩するのもいいだろう。

九州のほぼ中央に位置する阿蘇を訪ねるには、バラエティに富んだいくつものルートがある。しかし大分・湯布院とを結ぶ県道11号やまなみハイウェイを経由するのがやはり王道だろう。また久住高原ロードパークや国道442号、212号なども走り応えのあるルートである。

季節ごとの変化も楽しめる
日本を代表するツイスティロード


<草千里が浜>
阿蘇五岳の一つ、烏帽子岳の北麓の火口跡に広がる広大な草原と雨水が溜まってできた池とのコラボレーションが見事な風景を作り出している。草原では引き綱での乗馬などが観光客に人気だ


<阿蘇ライダースベース>
南阿蘇村一関にあり、「阿蘇が地域住民からも愛される世界中のライダーの聖地となる」ことを目的として設立。ライダー向けのサポートやイベントだけでなく、地域発展活動なども行っている


<レストラン北山>
阿蘇・外輪山を走るミルクロードと菊池スカイライン、マゼノミステリーロードの交差点にあり、肥後のあか牛がたっぷりのご飯に並ぶ倍喰丼(限定)などがライダーに人気。眺めもすばらしい


<大観峰>
ミルクロードに行ったらマストで立ち寄りたい展望地がこの大観峰。標高936mの外輪山最高峰からは阿蘇五岳はもちろん、久住連山や連なる外輪山の丘陵地帯、カルデラの中で箱庭のように広がる町並みや田畑の美しい風景を眺められる

 

モーターサイクリスト編集部

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