お役立ちノウハウ

リターン? 早くしないと 人生そのものが終わってしまうぞ!

「リターンライダーにピッタリなツーリングコースなんてあるでしょうか?」。そんな漠然とした編集担当からの問いかけに、シンヤさんが全力で答えてくれた。もう、走るしかない!

 

乗り続けているよりも

 

佐藤信哉  1957年、川崎生まれの川崎育ち。中学2年のときにバイクに魅せられ数々のインパクトある企画やイベントを成功させ、伝説を打ち立ててきた"職業:バイク乗り"。その言葉は深く、重い。 http://www.godspeed.co.jp

本項の想定読者は「リターンした40代~の中高年ライダー」だという。編集からは、そんな人にお薦めのルートや場所はありますか? と来たが、そう聞かれても困る。なぜなら、住んでいる場所によって、それは全く異なるからだ。いくらオレが箱根や丹沢がいいと言ったところで、関西や東北、九州や北海道に住んでいるバイク乗りにとっては、全く意味を持たないことになるからだ。

では、どんなアドバイスができるか? 実は、とっておきの妙案がある。「昔走ったところを、もう一度訪れてみればいい」というのがそれだ。よく行っていたそば屋の店先につながれていた子犬が、すっかり成犬になっている。定食屋の看板娘が、いつの間にやら風格ある女将さんになっている。おう、この土産店まだ提灯ばっかり並べてらぁ。あれ、この道こんなに広くなってるぞ。いつの間にか、こんな小ぎれいなお店ができているぞ。料金所がなくなっているぞ! うっへ、砂利道だったのが完全舗装されてらぁ! と新たな驚きや発見が次々に現れる。

1~2年ではだめだ。4~5年でもまだ浅い。10年、15年という歳月をかけ、初めてこの楽しみは手にすることができる。……あらま、リターンライダーにとっては、絶好の開き具合となっているではないか! 今ではストリートビューで、驚くべき枝道まで疑似ツーリングすることができる。だが教習所のシミュレーションと同じく、どんなによくできていても疑似は疑似。素肌で感じ生で見る本物のツーリングには到底かなわない。ましてや生身の人間が相手なら、何をか言わんやとなる。

ここでオレの驚くべき体験談を書いてみよう。昔、岐阜のとある温泉に行ったことがあり、とても気に入ったので10年ほどしてから再び訪れたときのことだ。到着するなりそこのご主人は「……あのう、10年ぐらい前に、一度いらっしゃったことありますよね?」とのたまった。そして、えっ!? と驚くオレに続けた。「確か、黒いアタッシュケース一つだけ持って、バイクでいらっしゃった方ですよね?」。相当な昔に一泊しただけなのにとオレは心底驚くとともに、随分と時は流れたが、再訪してよかったと大いに喜んだ。

ちなみに……、となってしまうが、もしこれを読んでいるあなたが、オレの住む神奈川県川崎市近辺に在住しているなら、海沿いを走って箱根、富士山を一周して河口湖、秋山を抜けて宮ヶ瀬湖から圏央道に乗り、東名で帰ってくるというのが、やはりお薦めとなるだろう。

きわめてありふれたコースとなるが、ここを走らずにどこを走るの、というぐらい満足できるさまざまな要素が詰まっている、プロもアマも関係ない絶対的な正当ルートと言えるものだ。そしてもう一つ、おおよそこのルートならば、帰りは東名でも中央でも、どちらでもOKという部分が大きなメリットとなる。

例えばこんなあんばいだ。まず遠足の子どもよろしく早朝5時には飛び起き、5時半~6時には家を出発する。そして手始めに海を見ながら西湘バイパスを飛ばす。早川の漁港で我慢していた朝飯を食い、箱根の温泉地を縫いながら大観山に駆け上がり、我が国屈指のワインディングである箱根・芦ノ湖スカイラインでツイストを踊り、広くて交通量の少ない富士山裏ルートで高原の牧草地帯を眺め、河口湖の湖畔を走り、道志と違って追い越し禁止ではなく、ほとんどガラ空きの秋山村をスイスイ走り、宮ヶ瀬湖から国道412号へ抜けたところにある、オギノパンで昔懐かしい揚げパンをかじり……。

ここで大体15時前後となるので、オヤツ代わりにちょうどいいと。そこから高速で一気に家を目指す。すれば夕食も家族みんなとおいしく頂けるという寸法だ。実際、オレはこれを定期的に楽しんでいる。唯一不満があるとすれば「何度も走り過ぎている」ということぐらいだろうか。

だが、リターンライダーなら、過去に何度か走っていたとしても新たな感動を覚えるのではないだろうか

(昔、よく走ったなあ……)。

その記憶を元に、もし以前の印象と違っていたら、道や建物が変わっていたとしたら、違っていること変わっていること自体を楽しめばいい。昔と同じであるならば、同じであるということを楽しみ喜べばいいのだ。

リターンの方々は、乗れなかった期間の代償として、またあのころの感激・感動に浸れる……のだろう。 正直、ちょっぴり羨ましいな。


リターンライダーに贈る 佐藤信哉太鼓判コース!

 

A 西湘バイパス

●青く輝く相模湾を横目にを眺めながらの疾走は、やはり"超"が付くほど気持ちがいい!……のだが、相変わらず白バイ・覆面パトカーが非常に多いのでスピードの出し過ぎには注意。

 

B 魚市場食堂
●小田原漁港にある安い・うまい・ご飯大盛り無料で大人気の食堂。月曜~土曜日は朝7時からやっているが、日曜・祝日・魚市場休業日は10時からだ(営業終了はすべて15時)。第3水曜日と、12月31日~1月4日が定休日。

神奈川県小田原市早川1-10-1小田原魚市場2階中央 ☎0465-23-3818

 

 

C 箱根ターンパイク

●たまにネズミ取りをしているので全開走行は禁物。それなりの料金は取られるが、見合うだけの快適な一気走りができるので快走したいなら選択して間違いのないルート。だが、県道732号(旧東海道)のほうが、温泉街の中を抜ける楽しさと、いかにも旧道という雰囲気にそそられ……オレはこっちを走ることのほうが多い。

 

D 大観山

●今も昔もバイク乗りの溜まり場であり聖地であることに変わりはない。東名の海老名PAと並んで、昔からの知り合いに最も出くわす可能性の高い場所だ。リターンライダーなら、やはり素直に立ち寄ってみるべき場所だろう。

 

E 天山湯治郷

●清潔だが、どこかひなびた感じがする温泉施設で、数種類の岩作りの露天風呂がある。時間的な問題があるが、照明が意図的に弱められているため、暗くなってからのほうが雰囲気はがぜんよくなる。宿泊施設もあり。

神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋208 ☎0460-86-4126

 

F 県道71号

●メインルートとなる国道139号より、こちらのルートのほうが観光バスなどの道路"栓"がなく、交通量も少ないため快適。開けた高原と森の中の道のコントラストがお気に入り。

 

G 県道35号

●道志村を抜ける国道413号はほぼ全線に渡り追い越し禁止となっているが、こちらは反対にほぼ全線が白線。ストレスなく快適に走れるが……マナーは絶対厳守!

 

 

H オギノパン

●60年近い歴史を持つ、学校給食を作っている大きなパン屋さんの工場直売所。ここで揚げパンを買い食いするのがいつもの〆の楽しみとなっている。9時30分~18時30分まで、年中無休で営業。

神奈川県相模原市緑区長竹2841 ☎042-780-8121

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