4車種の足着き
●テスター:身長173cm、体重68kg
New HONDA 400X
2019年に発売された400Xの3世代目。
フロントは17→19インチに。リヤは17インチを維持。
シート高は+5㎜の800㎜だが、足着き性はとても良く身長160㎝台でも問題ない。
HONDA 400X(〜2018)
2013年にデビューした並列2気筒399㏄エンジン搭載のアドベンチャーモデル。
スポーツモデルとエンジン・フレームを共用。
前後17インチ。足着き性は良く、取り回しも楽だ。
SUZUKI V-Strom 650XT ABS(〜2018)
90度Vツイン645ccはSV650がベース。
前19/後17インチ。
世界中のロングツアラーから支持される万能性が特徴。
シート高835㎜で、今回の4台中唯一かかとが浮くが扱いは楽。
BMW R1250GS
4バルブボクサーGSは、水冷R1200から排気量アップしたR1250系になって足着き性がぐっと良くなり普通に扱える。
日本仕様シート高は800/820㎜で両足がかかとまで着く。
前19/後17インチ。
本誌スタッフらによる簡単インプレッション
19は軽快性と安定感のバランスが良く楽しい
新旧400Xを乗り比べると、倒し込みやすさの違いに驚く。
ラジアル化された19インチの恩恵もあるだろうが、細いタイヤゆえの軽快さと転がり感が好印象。
旧型は経年変化を差し引いても、もっさり感が強いのに対し、新型はバンク角をリーン中に変えられるほど軽快。
また、光ったのはダート走行時の素直さ。
ふかふかした路面の轍越えでも振られにくく、安心して走行できた。
変わって、Vストローム650は全域でコントローラブル、かつ安定感がひとクラス上。
19インチを前提に開発されたパッケージは、タイトコーナーでも操る楽しさを感じさせてくれる。
フロント周りの剛性が高いことも安定感に寄与。
R1250GSは19インチであるというよりも、剛性の高さと重い重量により常に安定方向の操縦性。
高速域でも全く破綻の兆しを見せず、ある程度のギャップまでは振られることもない。
逆に言えば、19インチの特性を最大限に生かした車体なのであろう。
どこまでも楽に長く走れる気がしてくる
バイアスタイヤ全盛時代のフロント19インチ車はそれなりに触れてきたが、仕事以外ではダートバイクを好んできたため、今時の19インチ車の経験は正直あまりない。
低速域から安定志向、速度が乗った場面では少し重めなハンドリングが19インチの個人的なイメージだが、今回乗った19インチの3車はどれも直進安定性が良く、それでいて高速道路でのレーンチェンジなどはとても軽やか。
ロングレンジの移動ではさぞかし疲労も少なくこなすのだろうと容易に想像できた。
アドベンチャーと言われるジャンルのバイクが、このホイール経をフロントに採用することが多いのは舗装路をメインにしながら、ダートでの走破性も考慮してというのが理由だが、やはりオフロードバイクのフロント21インチと比べれば、荒れた路面を乗り越える力のようなものは物足りない。
フラットで絞まったダート路でなら、通過ではなく、走ることを楽しめる領域までいけるのかもしれない。
車線変更で戸惑ったが安定感と快適性は高い
19インチのフロントホイールは、安定感に優れた印象だ。
高速道路上の補修跡を通過したときのショックは17インチの400Xより19インチの400Xの方がとても小さい。
また、3車とも120㎞/h程度での車線変更は上半身の僅かな体重移動で穏やかに行える。
ただ、17インチの400Xのような素早い車線変更は3車ともうまくできなかった。
ところがどの車種もワインディングで曲がりにくさはなかったのが好印象。
17インチの400Xと同じ感覚でフロントブレーキを掛けて旋回し始めれば、常識的な速度でコーナーを駆ける分にはアンダーステアになりそうにない。
むしろ、3車とも17インチの400Xよりも狙いどおりのラインを走れた。
R1250GSはダートでもフロントが振られにくく、過去に17インチのネイキッドで林道を走ったときよりは安心できる。
これらの中でも軽量な400Xならオン/オフロードの入り交じるツーリングができそうで、所有したくなった。
【フロント19インチはオールラウンダーの証か否か? その2】F19インチに進化したHONDA 400Xを試乗インプレ!:順次公開
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