中華料理と戦闘は火力、そしてバイクは積載能力がモノを言う……らしい。エイプで釣りに行くために、突発的かつどうしてもエイプ100用リヤキャリアが欲しくなったので、無謀にも自作を画策したしたというのが前回までのお話。
で、色々と調査した結果、重量物を積むにはやはりゴツイほうがよかろうという結論に至ったわけだが、エイプ用としてどの程度ならばゴツくしてもいいのだろうか……? そんなことを考えながら、なんとなくリヤキャリアの製作を開始することにしたのである。
いざ製作開始
リヤキャリアを製作するにあたり、とにもかくにも必要なのは素材となる鉄パイプと、それを曲げるパイプベンダー。
まず鉄パイプだが、ホームセンターで入手しやすいφ19.1、厚さ1.2㎜のものをチョイスした。価格も安いし、厚さもそれほどではないので加工しやすいんじゃないか?と踏んだわけだ。
お次は避けて通れない、鉄パイプの曲げ作業をどうするか? 当初はパイプの中に砂を詰め、バーナーであぶって曲げようかとも考えたが、失敗を避けるためパイプベンダーを素直に購入することにした。
そして何より重要なのが固定方法だ。キタコのリヤキャリアはシート固定用ボルトとリヤフェンダーのフレーム固定用ボルトの計4本で固定している。ほかにネジ穴がないので同様の固定方法にするしかないが、それでは積載量を増やすことが難しい。
そこで、まず使用しないであろうタンデムステップを取り外し、ここからキャリア固定用の「足」を伸ばすことにした。それなら重量物を搭載してもへこたれることはないだろうし、キャリアの面積も拡大することができると踏んだわけだ。
あとはどのような形状であれば製作しやすいかを考えつつ、現物合わせでパイプを曲げればいいわけだ。
無論、そう簡単にいかないわけで
というわけで、さっそく作業を開始。
とは言ってもパイプベンダーがどの程度使用できるのかわからないので、手探りで作業を進める必要がある。さすがに心配なので、試しにパイプをそのまま曲げてみることにする。
部材をセットしたら、油圧シリンダーのレバーをエッサホイサと上下に動かす。徐々に手応えが出てきて、「お、今曲がっているな」という感覚が伝わってくるのだが、しばらくするとその手応えが「フッ」となくなってしまった。なにごとかとベンダーシューをのぞき込んでみると……。
……ものの見事にポッキリ折れてしまった。
これではどうにもならないので、パイプ曲げでは必須とも言える「内部に砂を詰めてみる作戦」で再挑戦してみる。
砂を詰めたパイプを先ほどと同じようにベンダーへセットし、せっせと油圧シリンダーを動かしていく。すると、先ほどとは打って変わって、パイプがきれいなアールを描いて曲がっていく。おお、これは意外と面白いぞ……!
ひとまずは問題なく曲げられそうなのがわかったので、ようやく本番の曲げ作業を行ってみることにしよう。
今回は釣り道具を満載することが前提なので、極力キャリヤのスペースを大きく取りたい。キャリヤを装着することで全長が変わらないようにしなければならないが、全幅はハンドル幅以内に収めていれば大丈夫……だったはず。ということで、キャリアの幅は40cmにして、できる限り広く取ることにした。
幅40cmというサイズを基本にして、各部の形状を考えつつ曲げ作業を行う。1本目が曲げ終わり、キャリア部分となる2本目の曲げを行ったところで、エイプの車体に仮留めして寸法やバランスの確認を行ってみることにした。
すると……。
できる限り曲げる回数を減らしてラクをしようと思ったことがアダになったのか、かなり仰々しいビジュアルになってしまった。やはりきちんとした設計図を引くなり、塩ビパイプなんかでダミーキャリアを作るなりしたほうがよかったかもしれない。うーむ、これはさすがに失敗だなぁ……。
もっと簡単にできるかと考えていたリヤキャリア製作であるが、その想定から逸脱して、いきなり迷走を始めたようである。うぬぅ、これはきちんとした形になるのか? というか、そもそも釣りに行けるのか?
というわけで、続きは次回!