ヒストリー

激闘! ヤマハワークスマシン「0W」のすごい歴史③

0W the History of Fame YZR500

早わかり・ヤマハワークス500の歴史③

 

エディ・ローソンが15歳の少年だったころ、最初のYZR500、0W20GPシーンに表れた。それから14年間。時が移り、人が変わるなかで、0W自身も絶え間なく進化してきた。そしてグランプリの歴史のひとコマ、ひとコマを演じ続けながら、0Wは0Wそのものの歴史を形創ってきた。波乱に満ちた歴史、しかし名誉ある、誇り高き歴史を……。

(本記事はモーターサイクリスト1986年12月号の記事を再編集して掲載しています)


そして完成の域へ

 

3連覇を成し遂げたヤマハであるが、スズキRG軍団との戦いは、この先さらに激しさを増すことが予想された。

そんなとき、“制約”が外された。スクエア4とV4の設計図に“GO”サインが出されたのだ。たったひとつの、しかし絶対的な制約から解き放たれ、0Wは奔放な進化を開始したのである。

最初に姿を現わしたのはスクエアだった。’81年の0W54である。続く’82年にはV4の0W61。しかし、この2年間は新しいトライが形になるための準備の時期でもあった。

 

1981 0W54

図面は0W61と同時期に完成していたが、実戦投入されたのはスクエア4の0W54が先だった。この年からはケニーも写真のヤマハワークスカラーで走ることになる。

 

1982 0W60

フレーム、特にアンダーループの剛性アップが図られた’82スクエア。0W最後のダブルクレードルフレーム車両でもある。

 

1982 0W61

初めてのV4エンジン搭載車両の0W61。エンジンが完成したものの、その下にフレームを通すことができず、やむなく変形クレードルとなった。しかし、これがデルタボックスフレームに発展するきっかけになったという。

 

’83年、それ以後の基本路線「V4+極太アルミバックボーンタイプフレーム」を明確に打ち出した0W70が登場した。82年から2サイクルでGP参戦し、急速に力をつけてきたホンダのフレディ・スペンサーと死闘を演じたマシンである。

 

1983 0W70

メインフレームをより太く、アンダーループは退化して、デルタボックスの原形が出来上がった0W70。以降のマシンの方向性を決定したモデルである。

 

この0W70で、ヤマハは以後の発展の方向性をしっかりとつかむ。そればかりか、極太のアルミバックボーンタイプのフレームでエンジンを抱え込むという構成は、他メーカーのレーサーもこぞって追随する、ひとつの理想的な形となったのだった。

それ以後の0Wの活躍は書くまでもないだろう。世界GPで’84、’86年とチャンピオン獲得、国内でも’83~’85年、3年連続タイトルに輝いている。

 

1984 0W76

リヤサスはリンク式で、ショックがスイングアームの中を通る。この年、吸入方式はディスバルブからTZRと同じケースリードバルブへと変更された。

 

1985 0W81

プレス成形のフレームには、もはやアンダーループの痕跡はない。古い型から見ていくと、ポジションの前傾が強まっていることに気づく。

 

1986 YZR500-86

’86年から0Wナンバーではなく、YZR500-86-01(02.03……)と呼ばれるようになった。この年、ヤマハはYZR500を5台出場させ、11戦中8勝を挙げる快進撃を見せつけ、YZR史上最多優勝&最高勝率の年となった。

 

成功もあれば失敗もあった14年間。しかし、勝利だけでなく、敗北もまた0Wの名誉ある歴史の一部なのだ。 敗北から学んだものが、常に次の勝利の原動力となり、0Wを熟成に導いた。勝利も敗北も含めて、飽くことない“継続”こそが、0Wを「最も完成されたレーサー」と言われるまでに育て上げた、最大の糧だったのである。

 


■YZR500参戦年表

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